- フィクサー
- 発売元: 東宝
- レーベル: 東宝
- スタジオ: 東宝
- メーカー: 東宝
- 価格: ¥ 2,953 (26% OFF)
- 発売日: 2008/09/26
- 売上ランキング: 265
- おすすめ度
監督:トニー・ギルロイ
出演:ジョージ・クルーニー、ティルダ・スウィントン、シドニー・ポラック
原題マイケル・クレイトン。原題に主役の名前がタイトルになる作品は意外と多いですね。「ドニー・ブラスコ(フェイク)」、「ジュリー・マグワイア(ザ・エージェント)」など他にもありますが、日本の市場だと原題ではイメージが付きにくいのか、内容を喚起させるタイトルに変更されているケースが殆どかと。個人的には原題でまったく問題無いのですけどね・・・。
それはともかく今回の「マイケル・クレイトン(フィクサー)」は法律事務所に勤める主人公マイケル・クレイトンが裏の仕事である“もみ消し”を意味する“フィクサー”として同僚が引き起こした訴訟トラブルを処理するため、自身の問題を抱えながらも東奔西走し、やがてはクライアントの大きな陰謀に巻き込まれていく姿をジョージ・クルーニーが加減の効いた演技でみせています。トム・ウィルキンソン演じる同僚の弁護士アーサーが担当するクライアントを敗訴に導く決定的証拠を掴んでしまい、良心の呵責からクライアントに反旗を翻す行為に奔ってしまう。マイケル・クレイトンが事態の収拾に乗り出すが・・・と言う陰謀型ストーリーに単なる正義感や使命感で片付けるのではなく、“フィクサー”ならではの手法でオチを付けるところが良いですね。
マイケル・クレイトン自身もフィクサーという立場に不満を抱き、表舞台である弁護士職への復帰を望んでいるが、シドニー・ポラック演じる法律事務所のボスがマイケル・クレイトンのフィクサーとしての能力の高さを認めている為、復帰は実らないでいる。また親類の借金を背負った為、こちらの解決にも追われていて全体的に燻った心境にあるのが生々しく感じられます。またこの映画で敵対する企業弁護士を演じたティルダ・スウィントンがアカデミー賞助演女優賞を受賞したのも、彼女の独白シーンや次第に追い詰められ焦っていく姿を見ると納得させられますね。自身と企業の姿勢を懸命に保とうとする姿がむしろ思わぬ展開に導いてしまうのが見応えがあります。
今回監督を務めたトニー・ギルロイは「ボーン・アイデンティティ」などのジェイソン・ボーン3部作の脚本を務めた人物でストーリーの立て方は非常に巧いと思います。また製作側でバックを務めたシドニー・ポラックやアンソニー・ミンゲラなどサポート陣容としては豪華ですね。全体的に抑えた印象を持ちますが、その抑制が巧く効いた内容かと思います。繰り返し観るのに耐えうる作品ですね。
0 Responses to 「フィクサー」
Something to say?