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好きな映画について、グダグダ語りますので悪しからず

デュプリシティ [DVD]
デュプリシティ [DVD]
  • 発売元: ジェネオン・ユニバーサル
  • レーベル: ジェネオン・ユニバーサル
  • スタジオ: ジェネオン・ユニバーサル
  • メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 価格: ¥ 2,952 (26% OFF)
  • 発売日: 2009/09/18
  • 売上ランキング: 17147
  • おすすめ度 3.0


監督:トニー・ギルロイ
出演:クライヴ・オーウェン、ジュリア・ロバーツ、トム・ウィルキンソン、ポール・ジアマッティ
原題:DUPLICITY
「フィクサー」で一躍脚光を浴びたトニー・ギルロイの監督第2作は、前作に引きずられない脚本家出身ならではの、展開に凝った「デュプリシティ~スパイは、スパイに嘘をつく~」です。個人的な感想を言うと、中盤からオチが読めてしまったというか、ジョゼフ・フィンダーの「侵入社員」に近い内容だった為、展開の類似性に気になって予想できてしまったというのが本当のところですね。これ以上はネタバレになるので、避けますが前作「フィクサー」ほどシリアスではないので、けっこう気軽に愉しめるかと思います。実際客層は連休中のレイトショーでしたが大半がカップルでしたし・・・。

出演陣ではここ最近出演作が多いクライヴ・オーウェン、「ザ・バンク 墜ちた巨像」とは趣の異なるキャラクターを演じています。(けっこうクライヴ・オーウェンは型にはまったキャラが多い気がしますね)。今回は軽いキャラクターを難なく演じています。相手役はジュリア・ロバーツ。最近とくにジェニファー・ガーナーにめちゃめちゃ似ているような気が・・・・。また「フィクサー」も出演したトム・ウィルキンソンやいい人役が多すぎるポール・ジアマッティが脇のバランスを非常に良いさじ加減で取っているかと思いますね。とくにポール・ジアマッティ。エキセントリックな部分は「シューテムアップ」に近いかも。

時間軸を小刻みに使い分けて事の真相を明らかにしていくのですが、画面を分割していくのはなかなか面白いですね。全体的に悪い印象はありませんが、個人的にはやはりシリアス調の作品のほうがトニー・ギルロイは合っているような気がしますね。
侵入社員〈上〉 (新潮文庫)
侵入社員〈上〉 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • レーベル: 新潮社
  • スタジオ: 新潮社
  • メーカー: 新潮社
  • 価格: ¥ 700
  • 発売日: 2005/11
  • 売上ランキング: 342230
  • おすすめ度 4.0

侵入社員〈下〉 (新潮文庫)
侵入社員〈下〉 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • レーベル: 新潮社
  • スタジオ: 新潮社
  • メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11
  • 売上ランキング: 331195
  • おすすめ度 3.0

 

「スモーキング・ハイ」

Posted In: . By kazutov sinofsky

スモーキング・ハイ [DVD]
スモーキング・ハイ [DVD]
  • 発売元: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • レーベル: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • スタジオ: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 価格: ¥ 3,043 (24% OFF)
  • 発売日: 2009/02/25
  • 売上ランキング: 11037

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
出演:セス・ローゲン、ジェームズ・フランコ、ダニー・R・マクブライド

原題:PINEAPPLE EXPRESS
スモーキングハイという邦題は確かにわかりやすいですね。セス・ローゲンお得意のマリファナ&ドラッグネタです。ここまで来ると地で行っているのでは?と訝しんでしまいますが、ここは3点セットの下ネタ&ユダヤギャグでバランスを取っています。さらに過去の作品よりもアクション度が高く、ドンパチもあります。セス・ローゲンのハイなキャラはもう意外性も無く、いつものパターン化ですが、ジェームズ・フランコの汚れたキャラはかなり良い感じですね。おバカなキャラに無理がありませんよ(笑

この作品もいつも以上に女っ気がなく、バカ話で大半を占めるのですが、テーマ的に日本では受け入れにくい内容ですね。実際問題として有名な大学でどこもかしこもドラッグ汚染が発覚して騒がれていますが、歴史的土壌が違うのか、舞台ではおバカな展開で終始しています。今作でいちばん気になったのは本編ではなく、映像特典が収録されていない事がショックでしたね。大抵ジャド・アパトー界隈の作品には良くも悪くも豪華な下ネタ系映像特典があるのですが、今回は全くなしでしたね。どうしたのでしょうかソニーピクチャーズさんは?

セス・ローゲンとエヴァン・ゴールドバーグやジェームズ・フランコなどの裏話など非常に面白そうなんですけどね・・・。ダニー・R・マクブライドも然りですが。セス・ローゲンの作品で今後楽しみにしているのはUSで4月10日から公開される「Observe and Report」と「funny people」です。どちらも楽しそうですよ。

 

「ディナーラッシュ」

Posted In: , . By kazutov sinofsky

ディナーラッシュ ~スペシャル・エディション~ [DVD]
ディナーラッシュ ~スペシャル・エディション~ [DVD]
  • 発売元: ハピネット・ピクチャーズ
  • レーベル: ハピネット・ピクチャーズ
  • スタジオ: ハピネット・ピクチャーズ
  • メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2004/07/10
  • 売上ランキング: 51496
  • おすすめ度 4.5

監督:ボブ・ジラルディ
出演:ダニー・アイエロ、エドアルド・バレリーニ、カーク・アセヴェド
「キッチンより愛を込めて」のコピーが秀逸ですね。
公開されDVDがリリースされてから随分時間が経ちますけど、ずっと食わず嫌い的に観ていませんでした。かなり猛省。もっと早く観ておけば良かった・・・。

NYトライベッカに実在するレストラン「ジジーノ」を舞台にいろいろなエピソードを巧く詰め込んだ感じで、分散しがちなそれぞれのエピソードの主旨がバランス良く保たれているのが良いですね。フロアや厨房を巧く使い分け、臨場感があるのはレストラン「ジジーノ」が監督ボブ・ジラルディがオーナーだからなのでしょうね。見せ方がホントに巧いです。ダニー・アイエロのオーナーはいかにもな感じでこの世界の酸いも甘いも知り尽くした雰囲気を余裕で体現しています。息子ウード役のエドアルド・バレリーニも今までの家庭的なポリシーの店を自分の革新的な技術を打ち出した前衛的な店に変えたいという気負いが端々から感じられます。その親子ふたりを基軸にレストランで働くスタッフや料理を愉しみに来た客それぞれのエピソードが前述した通りバランスが良いので、エピソードが多い映画にありがちな詰め込みすぎて何がしたいのかわからなくなる展開には陥らず、集約されています。

久しぶりに本格的なイタリア料理が食べたくなってきましたよ。

 

無ケーカクの命中男/ノックトアップ [DVD]
無ケーカクの命中男/ノックトアップ [DVD]
  • 発売元: ジェネオン エンタテインメント
  • レーベル: ジェネオン エンタテインメント
  • スタジオ: ジェネオン エンタテインメント
  • メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 価格: ¥ 3,121 (22% OFF)
  • 発売日: 2009/02/06
  • 売上ランキング: 22274
  • おすすめ度 3.0

監督:ジャド・アパトー
出演:セス・ローゲン、キャサリン・ハイグル、ポール・ラッド、レスリー・マン、ジェイソン・シーゲル、ジョナ・ヒル

直球すぎる邦題がなんともトホホな感じですが、コメディですからこんなモンなんでしょうね。原題のKnocked Upだとわかりにくいのかな?

それはともかく、ここ最近お気に入りのジャド・アパトー組というか「フリークス学園」組というか、ジャド・アパトー界隈の作品がとても良いです。その中でもセス・ローゲンが頭がひとつ出ている感じで、今作や以前エントリした「スーパーバッド」などは自分の中では傑作アーカイブ入りです(笑。ジャド・アパトー界隈の作品によく言われるのが、作品の内容が男性よりで語弊があるかも知れませんが、かなり偏向的です。そこが良いんですけどね。別に女性をぞんざいに扱っている訳ではありませんが、主人公をとりまく非モテ環境の本音を意外と丁寧に描いています。

今作は、セス・ローゲン演じるUS版ニート(引きこもりではないから厳密には違うか?)ベン・ストーンの甲斐性無しのダメ男が酔った勢いでクラブで出会った相手と一夜を共にした結果、予期せぬ妊娠を機に自身の成長と相手への愛に目覚めていく物語です。その大まかなテーマの大半がセス・ローゲンお得意のユダヤギャグや、下ネタで構成されています。あとマリファナね。この3点セットは他の作品でもよく見かけます。年がら年中ハイになっているキャラが必ずどこかで出てきますからね。本題に戻すと、そのダメ男に孕まされたのは「幸せになるための27のドレス」や「グレイズ・アナトミー」のキャサリン・ハイグルが演じるアリソン・スコット。TV局の裏方役であるADから、表役であるレポーターに抜擢され、そのお祝いにレスリー・マン演じる姉とクラブへ繰り出した結果、前述した展開に到る次第です。キャサリン・ハイグルの身体を張った演技が良いですね、そこまでやるとは思いませんでしたよ。

ベンの仲間たちが実名で演じているのがなんの違和感も無いのが面白いですね。ジェイソン・シーゲル、ジョナ・ヒル、ジェイ・バルチェル、ビル・ヘイダー(はブレントという役名でしたっけ)などいつもの面々がいつも通りのダメキャラ全開です。こいつら普段でもそうなのか?と思ってしまうほど違和感ありませんよ(笑 くだらない下ネタを含め、この手の作品が受け入れにくい人は多いかもしれませんが、個人的にはオススメです。

映像特典のジャド・アパトーとお目付役のベネット・ミラーの確執(ヤラセ)が見物です。あとはゲロとか出てくるので苦手な方は避けた方が良いかもしれません・・・。

 

「告発のとき」

Posted In: . By kazutov sinofsky

告発のとき [DVD]
告発のとき [DVD]
  • 発売元: ポニーキャニオン
  • レーベル: ポニーキャニオン
  • スタジオ: ポニーキャニオン
  • メーカー: ポニーキャニオン
  • 価格: ¥ 3,241 (19% OFF)
  • 発売日: 2009/01/07
  • 売上ランキング: 2695
  • おすすめ度 4.0

監督:ポール・ハギス
出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン
日本では受けない題材ですね。前作「クラッシュ」とは違って“救い”の要素がかなり少ない内容です。今作の舞台の一部であるイラクは現実の世界では米国はイラクからの2010年に撤退することを表明しましたが、非戦闘員は残留させるとのことなので、暫くは混乱が続くのではないでしょうか。

それはともかく、今作は元軍警察に属していた父親(トミー・リー・ジョーンズ)が、無断離隊した息子(ジョナサン・タッカー)の行方を探す話で、辿り着いた先には衝撃的な事実を知ると言う物語全体が重く沈むような展開が、前述した“救い”の無い結果と相俟っています。万人に受ける作品ではないけど、自分を含め平和呆けした日本人には尚更理解し難い内容かと思いますね。トミー・リー・ジョーンズ演じる父親ハンクが劇中、モーテルでベッドメイキングするシーンは規律の世界で生きてきた人間の条件反射なのかなと意味無く思ってしまいましたよ。テーマである「戦争の狂気」は後日談的に受け取ると、以前エントリした「インデアン・ランナー」や超名作「ディア・ハンター」、「バッド・タイム」あたりが方向性は違えど、その狂気の影響を受けてしまったと言えますね。感動ではない余韻に浸るのは何とも珍しい感じですが、さすがポール・ハギスというところでしょうか?

 

イースタン・プロミス [DVD]
イースタン・プロミス [DVD]
  • 発売元: Happinet(SB)(D)
  • レーベル: Happinet(SB)(D)
  • スタジオ: Happinet(SB)(D)
  • メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 価格: ¥ 3,121 (22% OFF)
  • 発売日: 2008/11/14
  • 売上ランキング: 1048
  • おすすめ度 5.0

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、アーミン・ミューラー=スタール

クローネンバーグ&ヴィゴが贈る抑制の効いた暴力の世界。以前のエントリにも挙げた「ヒストリー・オブ・バイオレンス」でタッグを組んだD・クローネンバーグ監督とV・モーテンセンが本作でも再び裏社会で生きる人間を描いています。ロンドンを舞台にとある事件からロシアン・マフィアを相手にしてしまったロシア系の血を引くアンナ(ナオミ・ワッツ)。またマフィアの一員でありながら結果的に助ける複雑な雰囲気を醸し出すニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)を軸に物語は展開します。

ヴァンサン・カッセル演じるマフィアの息子キリルの壊れっぷりが凄いですが、いちばん怖いのはアーミン・ミュラー=スタールの好々爺の様相でありながら、冷酷無比なキャラですね。これは見物です。また歴史に残ると言っても過言ではない、サウナでのヴィゴ・モーテンセンの全裸殺陣はこれこそ見物です。銃は使わず、ナイフで殺害に及ぶというスタイルが画面上から痛さを感じさせますね。

前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」は後半からややアクションものに成り下がっていたきらいもありますが、今作の後半はダレることなく、寧ろ静かなトーンでクライマックスを迎えるのが良いですね。

 

ヒストリー・オブ・バイオレンス
ヒストリー・オブ・バイオレンス
  • 発売元: 日活
  • レーベル: 日活
  • スタジオ: 日活
  • メーカー: 日活
  • 価格: ¥ 3,241 (19% OFF)
  • 発売日: 2006/09/08
  • 売上ランキング: 7864
  • おすすめ度 4.0

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート
先ずはヴィゴ・モーテンセンの「ロード・オブ・ザ・リング」で見せたライトな演技ではなく、「インディアン・ランナー」のダークな雰囲気が今作は近しいかと思います。鋭利な雰囲気を見せる演技がヴィゴ・モーテンセンは良く似合っていて、近々DVD化される今作と同じクローネンバーグ監督作「イースタン・プロミス」も同じ類のようです。

難解で変態系監督(笑)であるクローネンバーグ監督にしては分かり易い内容ですが、テーマ自体は普通ではありませんね。暴力性と性描写は外すことは出来ないのか、元マフィアと言うより特殊工作員的な身のこなしで暴漢を瞬く間に斃す姿や、虐められていた息子がキレて相手2人を血まみれにしてしまうところなどのバイオレンス・シーンはいつものこと、マリア・ベロ演じるオクサンのチアガールコスプレしながらのセックスや、殴り合いの喧嘩から激しいセックスに移っていく(それも階段で)ところなどクローネンバーグ監督ならではの表現が満載です。

アシュトン・ホームズ演じる息子ジャックの学園生活のシーンもありますが、先述した虐めにキレて、父親の遺伝子を受け継いでいることを暗示させる見せ方が良いですね。中盤から終盤に向けての展開がやや雑な気がしますが、エンディングの食卓のシーンがとても印象的で気に入りました。

しかし、いい人役が多いエド・ハリスの凄味のある表情は良いのですが、いかんせん部下共々みなヘタレ過ぎてマフィアの怖さがあまり出ていない気がしましたね。ウィリアム・ハート一頭は言わずもがな。それよりも冒頭に出てきた2人組の暴漢の方が衝動的かつ無計画に人を殺しているので、こちらの方が視覚的にも怖い印象を持つのではないかと・・・。