トラフィック
トラフィック
  • アーチスト: マイケル・ダグラス
  • 発売元: 東宝ビデオ
  • レーベル: 東宝ビデオ
  • スタジオ: 東宝ビデオ
  • メーカー: 東宝ビデオ
  • 価格: ¥ 5,355 (15% OFF)
  • 発売日: 2001/12/21
  • 売上ランキング: 26744
  • おすすめ度 4.5

『トラフィック』
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:マイケル・ダグラス、ドン・チードル、ベニチオ・デル・トロ

アメリカとメキシコを結ぶ麻薬犯罪コネクションをテーマにした3つの物語が交錯する群像劇。

いわゆる勧善懲悪的に物語を片付けず、社会問題としての根深さを明示した作品だと思います。日本では今のところ表面化している問題では無い為、ピンときませんが監督ソダーバーグの前作『エリン・ブロコビッチ』に続く社会問題を取り上げた良質な作品かと思います。元々はTVシリーズだったらしく、そのリメイクにあたるのは前回エントリの『ヒート』と同じですね。(『ヒート』のオリジナルにあたるTVシリーズは『メイド・イン・L.A.』)

ここでは後のソダーバーグ作品である『オーシャンズ11』シリーズのレギュラー役ドン・チードルと、どちらかと言うとヒール役が多いベニチオ・デル・トロの麻薬捜査官が良い演技をしてます。デル・トロの2000年アカデミー助演男優賞を獲得したのは納得ですね。またドン・チードルは、これまたアメリカの姿を写し出したポール・ハギスの群像劇『クラッシュ』でも非常に良い味を出していて個人的にも好きな俳優です。マイケル・ダグラス演じる次期麻薬取締最高責任者の苦悩もあり、実生活では妻であるキャサリン・ゼタ・ジョーンズのUS版極妻もなかなか楽しめました。

この複雑に絡む物語を旨く紡ぎ出す脚本がスティーヴン・ギャガンによるもので、近作では元CIA工作員ロバート・ベアが著わした告発本『CIAは何をしていた?』を映画化した『シリアナ』があります。ここでは脚本のみならず、自ら監督を務めていますね。『シリアナ』では中東を舞台にした石油利権に絡む人々の欲望を描き、『トラフィック』にも通ずる内容かと思います。未見の方はぜひ。
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