ダージリン急行
ダージリン急行
  • 発売元: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • レーベル: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • スタジオ: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 価格: ¥ 3,416 (14% OFF)
  • 発売日: 2008/09/03
  • 売上ランキング: 946
  • おすすめ度 5.0

監督:ウェス・アンダーソン
出演:オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「ライフ・アクアティック」を監督したウェス・アンダーソンの作品では定番である「家族再生」をテーマにしたロード・ムービー。オーウェン・ウィルソン演じる長男フランシス、エイドリアン・ブロディ演じる次男ピーター、ジェイソン・シュワルツマン演じる三男ジャックのホイットマン3兄弟。父親の死をきっかけに絶交状態だった関係を修復する為にフランシスの提案でインドを旅するダージリン急行に乗り合わせ、そこで繰り広げられる珍道中が主な内容です。

家族再生(ここでは兄弟関係の再生に限っているけど)のストーリーは、もはや新しくもなくまさに定番的なものですが、ウェス・アンダーソンだと何故か気になってしまいます。この作品に限ったことでは無いのですけど、一見まったりとしたユルい印象を作品に感じますが、どこかしらに神経質的な緊張感が漂っていて3兄弟の関係に不協和音が絶えず鳴り響いているようにも受け取れますね。道中は異文化コミュニケーションの衝突で、そこから3人の関係を修復する糸口に繋がるのですが、やや彼らの自己中心的な言動が個人的には不快感を憶えます。「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」や「ライフ・アクアティック」でもそれぞれのキャラは自己中心的な部分があるのですが、自国の文化圏内での言動であることからさほど気にはなりませんでした。今作はインドが舞台である為、物語の設定上そのような言動にしているのだと思いますが、少々鼻につく感じがします。

また、最後には3人とも抱えていた荷物をすべて捨てていくシーンがあり、これは兄弟それぞれが心に抱えていた問題を視覚的に荷物に準えて捨てていくのだと思いますが、言うほど大した問題を彼らは抱えていなかったのではと感じますね。3人が仲違いするほどショッキングなイベントが背景にあるようにも感じませんし・・・。とはいえ、鼻につく部分やキャラに重みが無いにしても人間描写は良いですね。大きな成長は無いけど僅かばかり気がつき、それぞれを許す部分が「家族再生」のオチになっているのがウェス・アンダーソンらしくて・・・。

プロローグにジェイソン・シュワルツマンとナタリー・ポートマンによる短編「ホテル・シュヴァリエ」があるのですが、これがなかなか良い出来です。わずか10分程度の話ですけど。とくにナタリー・ポートマンが良いです。本編でウェス・アンダーソン作品では常連のビル・マーレイとアンジェリカ・ヒューストンがこれまた良い味を出しています。

しかし、ダージリン急行ってオシャレですね。日本だとブルートレインになるのですかね?
あんな列車に乗ってみたいですよ。